| タイトル |
日 時 |
夕闇の魔女(5/5)
由良正雪を失った。
皮肉にも白いローブを身にまとっていたが、もう意味がなかった。最期の瞬間まで綾を信じた彼の心と、綾の誓いが重なった時、東京を覆うほどの光を放つことができた。
それで綾は変わることができたのに、求めていた正雪の姿ははるか下で朽ちて、残されたのは小さな塊だけだった。掌をそっと開けて綾は目を丸くした。
「これは……」
大きく立派な種が弱く光を帯びている。
祈りながら種に魔力を与えると、たちまちキラキラと輝きだした。一定のリズムをとって輝き、それは人の鼓動と同じリ...
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2008/11/17 15:59 |
夕闇の魔女(4/5)
綾の父親は娘がユラのマントの中へ消えるのを楽しんでみているようだった。
正雪は両腕で綾を固く抱きしめていた。
「やだ。熱い!――嫌よ」
逃げようとする綾を正雪は決して離さなかった。
綾にかかった闇の呪いが消滅を拒否して、稲妻形になって正雪の身体を貫いた。腕の肉はあっさりとキザキザに裂けて血が吹き出た。それは腕だけにとどまらず太腿や腹を襲ったが、負けずに光を強めたことで、呪いの力は弱まった。綾は身体が軽くなり、不思議と涙が出た。
「ユラくん。――私」
「もう大丈夫だね?」
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2008/11/14 14:11 |
夕闇の魔女(3/5)
太陽が完全に沈み、街は光の華やぎも鮮やかに歓楽の彩りをみせている。
東京タワーで少年はその美しい夜景を見たが、それは予想もしなかったことだ。
「!」
タワーの鉄骨を鉄棒代わりにあばら骨を思いきり打ちつけても、足が宙ぶらりんでは文句を言う暇もない。枝に止まり損ねた小鳥のように必死でもがいて足場を得たら、こんな状態が嫌だと思うのは当然だろう。
「東京だ」
正雪は脇腹をさすりながら、正直ほっとした。
魔法に長けたラスダーへ潜入するのだから、こんな仕掛けもあって当然なのだろうが、...
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2008/11/12 14:58 |
夕闇の魔女(2/5)
東京ほど密度の高い都市はないだろう。国家の中枢があり、先進国の中央都市として繁栄し、同時にそこに住まう人々がいる。夜景は世界中のどの都市よりも最大規模である。
東京を代表するものといえば東京タワー。情報化社会では重要な電波棟であり、有名な観光名所であり、テレビやゲームの世界では登場してはすぐに壊されてしまう有名なシンボルだ。この鉄塔はシンプルな構造でありながら、タワーの意味成すところは大きい。
毎夜、この重要施設は乱立するビルのなかで、恋人達の行く末を見守るぐらいのものだった。
だが...
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2008/11/10 16:02 |
夕闇の魔女。(1/5)
午後6時。黄金色の太陽が水平線に沈もうとしている。
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2008/11/07 15:40 |
誓い。(END.3/3)
正雪は苦しみながら「クゥ」と何度も呼んだ。
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2008/09/26 15:59 |
誓い。(2/3)
あの爆発的な力。
洪水のようにすべてを押し流し破壊するエネルギー。
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2008/09/19 14:19 |
誓い.(1/3)
久々のユラです。
記憶と構想も新たに復活ッ〜!
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2008/09/17 15:00 |
沈黙とサンダルの四分音符。
ささやかな別れ前の宴。由良家から賑やかな笑い声が響いている。
その日のメニューに正雪が目を輝かせた。
まず僕の好きなラザニアをお母さんが作ってくれた。ディアナが作ったキーマカレーは本格的で、デザートの南国フルーツの盛り合わせはクゥのオーダー。その他いろいろあるけれど、オズマを含めたコビト4人にオマケの須藤さんも一応数にいれて、全部で9人!レッツパーティだ!
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2008/05/07 15:45 |
初恋。(6/6.END)―初恋―
君が傍にいるだけでいい。
それで僕は強くなれる。
僕の全部をなげうって君を守るから。
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2008/05/02 11:22 |
初恋。(5/6)―おひとよし―
綾の黒髪がやわらかな風になびいていた。頬が桃色に染まり、長い睫毛が瞬いている。驚きで言葉も返せないようだった。
思い返せば恥ずかしいけれど、「好き」は僕の素直な気持ちだ。
彼女と一度出会ってしまったなら、この気持ちは止めようもない。
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2008/05/02 10:50 |
初恋。(4/6)―告白―
夜の風にブランコが揺れてる。
洋介の顔から下は闇に溶けていて、ぽっかりと生首が浮かんでいるみたい。
――不気味だ。
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2008/05/01 15:58 |
初恋。(3/6)-対決-
敵が来る兆候はない。だが確実に闇は深くなっている。
徐々に高まりつつある緊張感。この際やれるだけやってやろう。
なるべく明るい場所に誘いこんで、光を当てて消し去ってやろう。手持ちの懐中電灯や手持ち花火じゃ、限りなく心細いけれど、呪文が使えないなら、これでやるしかない!
あまりに不利な戦いだ。もしかしたら拷問とかにあって、ユラの証の在り処を吐かせようとするかもしれない。
でも、絶対に言うものか!
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2008/04/28 11:06 |
初恋。(2/6)―対決―
校舎がとても懐かしくて、うんざりしていた勉強がすごく新鮮に感じた。
昔の僕は目標もなく、変化のない日々を繰り返していた。そういうふうに、また戻ってしまうのだろうか。
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2008/04/25 14:20 |
初恋。(1/6)―帰宅―
アパートの錆びた手すりで喧嘩してるのか、真近で鳴く雀がうるさい。
「正雪、起きなさい。今日から学校でしょ」
厳しい母の声で由良正雪は目を大きく見開いた。
少し寒い春。なのに、パジャマは汗でびっしょりだった。
また嫌な夢を見た。何度も繰り返す過去に似た夢。
「それどこじゃないよ……」
カーテンを開けると、建物同士の細い隙間から陽がさしていて、目を細める。東京の空は少し大気汚染。晴れていても薄く雲がかかっていてトランスウッドの純粋な空とは違う。
「みんな大丈夫かな」
悔し...
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2008/04/24 14:54 |
初恋。前書き。
序章。出会い。別れ。4オズマ、5クウ、7ディアナ。で、今回の初恋です
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2008/04/24 14:51 |
第5の使徒(6/6.END)―クゥの誓い―
「数字と記号に導かれてきたのさ。オジサンだって、そうだろ?」
正雪は意味ありげにニコリと笑った。
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2008/04/17 11:19 |
第5の使徒(5/6)―ロスタイムは10分―
たいていのことは金でケリがつく。金で解決できないことは、政治家を使って実力行使する。政治家が駄目な時は民意を扇動し、役人を利用する。もし、殴り合いになっても、鍛えているし、自信と才能もある。
力があって何でもできるので、つまらなくなり世界中を旅した。
でも、本当に求めていたものは手に入らなかった。
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2008/04/16 13:54 |
第5の使徒(4/6)―誰?―
『6.8XA-7TH.9Z!』
オズマが言っていた開扉呪文。正雪がまっすぐ手を伸ばすと、ディアナが地表とぶつかる寸前に異空間ができて、そのまま突っ込んだ。
ディアナは助かった。それが精一杯だった。僕はこのまま、頭から地面に衝突する。
――思わず息を呑んだ。
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2008/04/15 15:56 |
第5の使徒(3/6)―驕りの代償―
『6Z0A0!』
闇の塊が降りそそぐ。正雪は数センチ首を傾けただけで、歩みは遅くもならない。
「第3ってのは、やっぱり個人プレーが好きなんだね。――やめといたほうがいいよ」
だって僕、本気になりそうだ。キレたら恰好悪いから、やだな。
時計をチラリと見た。
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2008/04/14 09:10 |
第5の使徒(2/6)―遊び―
真冬の午前五時。成田から湾岸へ。
まるで絵本の世界にいるような、星が綺麗な夜のこと。
夜明けにはほど遠く、空気は凍っている。
五百メートルの上空にポツリと光る点があった。それはまるで小さな星のよう。だが望遠鏡で覗けば、それが人であると分かるだろう。
地上と天空の星に囲まれて、春の野原のような、弾んだ足取りで空中を散歩する少年がいる。足元には何もなく、高速道路の並列した光が東京への道すじを点々と指しているだけだ。
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2008/04/13 14:01 |
第5の使徒(1/6)―予兆―
成田空港から東京へ向かって数台の高級車が湾岸高速を走っている。
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2008/04/11 14:14 |
第5の使徒―前と後書き―
どうも。ご無沙汰してました^^)/。
ブチ当たる現実と戦っておりました。ウチの娘もピカピカの小学一年生となり、準備の多忙さにパソコンの方がすっかり春休みになってしまいました。子供が休みって一番忙しいかも。自分の時間がその分削られるんだよな……(泣)
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2008/04/11 14:10 |
第4の使徒(2/2)
「ディアナ!」
正雪は一心に泉の底をさらった。幸い浅く、膝ぐらいの深さしかない。けれどその中で倒れている可能性もある。
黒く透明度ゼロの水では完全に手探りだった。
どれほど探したことだろう。手に吸いつくような感覚があり、握ってよくみると、ぐにゃりとした黒いボールの感触。
「! うわ」
なおも驚いたのは視界の悪さだった。
視界全体に細かく黒い0(ゼロ)の形をした雨が、無数に降ってくる。
「何だよ、これは――ディアナ、どこ?」
玉を捨てると、見えていた数字も消えた。再び暗...
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2008/02/27 11:26 |
第4の使徒(1/2)
『これは私がある方から預かったものです。大切に使いなさい』
ディアナがキラキラ光る白い布地を渡した。
「マントだ」
羽織るとキラキラした光の粒がこぼれおちそうだ。大人用なので少し長いが、さらさらしたサテン地のような布は邪魔にならない。
「カッケェ!」
正雪は目を輝かせた。本当にヒーローになった気分。思わずポーズを決めてみる。
『恰好じゃないわ。旅は厳しい。雨風を防ぐのはもちろん、ユラのマントなら矢から爆風まで守ってくれる。ただし首から上は自己責任。油断するとギロチンみたいに首が...
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2008/02/25 15:56 |
ホームシック(3/3)
ディアナは黄金の懐中時計を取り出し、鎖を正雪の首にかけた。
太陽の光を受けて黄金が眩しい。細工の綺麗な時計だった。時計の針は枝の先に付いた一枚の葉。蔦の絡まった紋様に鏡のような文字盤。
『これはユラの証。十二使徒とユラを繋ぐものだから大切にね。
――これがあれば、私が支配している午後七時から八時までの一時間以内なら帰してあげることもできます』
「本当!?」
正雪は小躍りして懐中時計をにぎりしめた。
「じゃ、早くやってみようよ!――どうやって使うの?」
『懐中時計を使えば、闇...
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2008/02/22 12:00 |
ホームシック(2/3)
正雪は泉のほとりに座って長い間、水面を見つめていた。その底は浅いのか深いのか。光を通さぬ墨のような泉をみると、ここがトランスウッドであることを痛感する。
いまわしい黒い水面に土手の草を毟って投げ込もうとしたが、風に煽られてかえってかぶるのは正雪自身だった。
「ちっくしょ!」
正雪は寡黙になって草をはらい続けた。
結局自分のやったことは、自分にかえってくる。家を出たことがこんな結果を招いたなら、あのまま家でじっとしていればよかったのかもしれない。
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2008/02/20 15:52 |
ホームシック(1/3)
トランスウッドに落ちて5日目のこと。
今日も快晴で青空が気持ちいい。小春日和に名も知らぬ小鳥が陽気に鳴いている。少し冷たい風の吹く土手で、正雪は寝転がっていた。
少年を包む草の匂いと青い空。その部分では東京とあまり変わらない。違うのは今いる泉の水が黒いのと、月が大小合わせて12個もあり、空にはジャンボジェットの代わりにドラゴンが優雅に飛んでいることだ。 ここは異世界トランスウッド。いつも見ていたビルの隙間の狭い空はどこにもない。
「母さん、心配してるだろうな」
小さな呟きが正雪の...
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2008/02/19 15:58 |
ユラ。前書き
ご無沙汰です。考え無しはいつものことだけど、話が前後してます。だぁぁ構成すんのが苦手。だって頭のお皿がすぐいっぱいになっちゃうんだよぉ。(> 5作目 ホームシック (トランスウッドに落ちて5日目)
6作目 第4の使徒(次公開) ( 〃 )
3作目 飢える母 (一週間後、東京に戻る)
2作目 君と僕はトモダチ (テスラ村へ)
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2008/02/19 15:55 |
もうひとつのプロローグ(後)
ディアナは由良正を心から愛していた。けれどそれは永遠の秘密だ。彼には最愛の妻ともうすぐ生まれてくる子供がいる。だからディアナは使徒としてひたすらに正を支えていたのだ。
彼は泣く泣く二人を置いてトランスウッドに来たが、ついにこの木と共に闇に消える運命となった。
『――そうよね? タダシ』
届かなかった願いに応えるように老木に一輪の花が咲いた。
『話しているうちに終わりの時が来たみたい』
『案外あっけない最期になりそうだ。もはや我々は姿を失っているが、声も失う時が来たようだ。その...
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2008/02/05 14:00 |
もうひとつのプロローグ(前)
遡ること10年前の話になる。
底無しの闇は果てなく深く、すべてが失われつつある。そして最期の希望が今、消えようとしている。
ぼんやりと光る物体に近づくと、それは一本の白い木であった。
闇に包まれ太陽もない場所で、木自身が光を放っている。ほんのり照らされた大地を含め、大きさは人と同じくらいの高さ。わずかな光だ。
まばらに茂った葉の一枚ずつが闇を退けているが、枝は折れアンバランスに曲がっている。樹皮はひび割れ、根元に大きな穴が開いていた。
『最期の一本。これも枯れる……それでお終...
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2008/02/05 13:57 |
飢える母(後編)
『希望はあります。6年の間に出会って救世主の使命を果たすのです。全てが終われば一緒に帰ってこられるでしょう。ユラ、あなたが由良家、最期の希望なのですよ?』
親子三人で仲良く暮らすための唯一のチャンス。
「6年」
大きな賭けでもある。父を探し、救世主になって戻ってくるなんてできるだろうか。父を失い、さらに僕までいなくなってしまったら、母はもっと悲しむだろう。
「トランスウッドにいる間、母さんはずっと独りだ」
『救世主ユラが使命を終えない限り、由良正雪には戻れません。道は一つしかありま...
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2008/01/26 08:51 |
飢える母(前編)
正雪の雪は白い雪。
闇から生まれた白い雪。真冬の空から落ちてくる。
黒のディアナに包まれて。
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2008/01/25 13:58 |
飢える母 <マエガキ>
<ユラと12使徒/3作目>一作目でトランスウッドに落ち、二作目では旅をする仲間。三作目は謎解きです。母と子、そして使命。これで結末までの道すじが見えてくることでしょう。そして、ここからトランスウッドでの冒険の旅がはじまります。
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2008/01/25 13:53 |
君と僕はトモダチ(全6/end)
その頃、オズマたちも目を見開いた。岩の形が揺らいで黒い霧になっていったのだ。中にいた正雪の身が案じられた。ユラまで、このまま消えてしまったら……。
『ユラ!』
霧が晴れると道も拓けていた。岩に堰き止められた風が吹いてくる。
そしてぼうっと佇むユラの、雪のような白いマントが風に煽られていた。
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2008/01/16 09:20 |
君と僕はトモダチ(全6/5)
どれほどの時が経ったことか。
午後三時。3年2組、放課後を告げるチャイムが鳴った。赤と黒のランドセルと黄色い帽子が賑やかに動き出す。
安物トレーナー姿の正雪は勢いよく木戸の肩を叩いた。
「じゃ、あとで! マジ交換してくれるよね?」
「いいけど、レアはだめだ」
最新ブランドのシャツとセーター。お金持ちの木戸洋介は顔だって悪くないし.、彼はクラスの人気者で、田舎臭い正雪なんて相手にならないが、正雪が良犬のようにじっと見つめるので困る。
「見るぐらいいいじゃん」
「だめ。傷つくと...
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2008/01/15 10:59 |
君と僕はトモダチ(全6/4)
真っ暗な空間を正雪は歩んでいた。白いマントだけが闇をはじいて、うすく光っている。
あの複合魔法に触れて感じたのは、懐かしい音と光だった。
だから瞬間的に察した。
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2008/01/14 20:40 |
君と僕はトモダチ(全6/3)
『とにかく――まて』
幾多の苦難を見通してきたオズマが、封じていた瞳をゆっくり開く。
そこには虹が渦を巻きゆらゆらと揺れていた。彼の“知恵の瞳”は真実を見抜く。目の前の物を画像として見るのではなく、数字や記号となってイメージが伝わってくる。
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2008/01/13 20:06 |
君と僕はトモダチ(全6/2)
正雪は丹念に岩のまわりを調べたが、手がかりどころか、小石ひとつ転がっていない。落石にしては周囲は綺麗だ。けれどそんな疑問さえ、今はどうでも良いことだった。ディアナが呻き声をあげるたび、正雪の胸がキリキリと締め付けられた。
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2008/01/13 19:55 |
君と僕はトモダチ(全6/1)
あの頃の僕らは懐かしい。
こんなことになるなら、もっと洋介の気持ち、
分かってやるべきだった……。
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2008/01/11 11:36 |
君と僕はトモダチ…マエとアトがき。
ユラと12使徒シリーズ二作目です。
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2008/01/11 11:33 |
僕の隣へようこそ。(全三回/3)
華奢でやわらかな感触と……ふいの急ブレーキによる重圧!電車が斜めになり、椅子の片側が1メートルも高くなった。
ガツンと衝撃が来て、満員の乗客が飛ばされて、ダンゴになって宙を飛ぶ。ハイヒールの踵が正雪の鼻先を掠った。
『このままでは……。安全な場所へ移動します』
大きな翼のような服に包まれた。
真っ黒な闇に僕は溶け、そして落ちるはずのない下へ落ちていった。
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2007/12/21 09:56 |
僕の隣へようこそ。(全三回/2)
いつもの駅に着いて、僕の隣の老婆が立ち上がった。隣に座っていたのが同じ街の人だったと思うと、少しほっとした。ところが、見ず知らずのお婆さんなのに、ふいに僕の手を掴んだのだ。
「着きましたよ。降りましょ」
「え?」
正雪はすこし驚いたが、まだ心が定まっていなかった。
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2007/12/21 09:50 |
僕の隣へようこそ。(全3/1)
分別の効いた大人の顔をする正雪に皆が安堵し、隻眼の老人は幼い救世主の姿に微笑んだ。
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2007/12/20 13:22 |
ユラと12使徒(まえがき)。
冒険ファンタジーはいかがでしょう?
小学三年生の男の子、由良正雪(ゆら・まさゆき)を中心に現代と異世界を絡め合わせた作品です。少し不遇な環境に育つ正雪が現実世界で葛藤しながら、、異世界トランスウッドでの様子を交えつつ、物語は進む予定です。
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2007/12/20 12:00 |